富士フィルムユーザーにおすすめのオールドレンズ。【X-S10×Olympus F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8】
今年の春、富士フィルムのX-S10というミラーレス一眼カメラを使い始めてから、ぼくのカメラ生活はとても充実しています。
ぼくは元々フィルムカメラを趣味にしていたので、富士フィルムのフィルムシミュレーションの色味や、APS-Cセンサーが故に携帯性に優れるところはお気に入りのポイント。
他社のミラーレスカメラを使ったことがない身なのですが、すっかり富士フィルムが大好きになっています。
今回はそんなX-S10に、富士フィルムのカメラを買ったら必ず試したいと思っていたオールドレンズを装着してみました。
それは、APS-Cセンサーと相性が良い、OLYMPUS PEN-Fマウントのレンズ。
PEN-Fマウントで一番手に入りやすい、F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8を試してきたので、その作例と感想、おすすめポイントを紹介したいと思います。
Olympus F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8
Olympus F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8
F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8というレンズは、昔オリンパスから出ていた、OLYMPUSペンFシリーズという一眼レフカメラ用の標準レンズです。
今は生産終了していますが、このカメラ自体今でも人気が高いフィルムカメラの一つなので、PEN-Fについても少し紹介しておきます。
PEN-Fというフィルムカメラについて。
Olympus PEN-FT
PEN-Fと聞くと今思い浮かぶのは、オリンパスから出ているデジタルカメラのPEN-Fシリーズでしょうか。
お洒落なデザインとコンパクトなボディ・レンズで今でも人気なデジカメですが、このデザインの元となったのが、「PEN-F」というフィルムカメラシリーズです。(名前が一緒なのでややこしいですが別物です笑)
PEN-Fは1963年に登場したフィルムカメラです。
その最大の特徴は一眼レフスタイルのハーフカメラであるということ。
一眼レフスタイルのレンズ交換式ハーフカメラはPEN-Fシリーズだけなので、長いカメラ史の中でも、唯一無二の特徴を持つカメラといえます。
ダイヤルの無いシンプルな軍幹部が特徴。
シャッタースピードやISO感度はレンズ横のダイヤルで設定する。
コンパクトサイズで一眼レフを実現するための”横に動くミラー”や“チタン幕のシャッター”など、機能的にも面白いところがあるので、詳しく知りたい方はサンライズカメラさんの記事を参考にしてみてください。
ぼくのPEN-FT
シャッターボタンにも段差がない流麗なデザイン。
ぼくはPEN-FTというモデルを購入したのですが、コンパクトでミニマルなデザインでありながら一眼レフスタイルを実現しているという、お洒落さと機能性を両立しているのがお気に入りのポイント。
巻き上げダイヤルの収まり感もお気に入りポイント。
露出計、セルフシャッターが不動の個体だったのですが、普通に使う動作は問題がなさそうで、何より付属レンズが本命だったので、この時の相場よりはややお得に手に入れることができました。
PEN-FTで撮れる写真
ハーフサイズなので組写真のようにもプリントできる。
ハーフ故の粒子感と一眼レフらしい解像感のバランスが魅力。
PEN-FTはハーフサイズカメラなので、35mmフィルムを縦に半分にしたサイズで写真が撮れる、コスパが良いカメラです。
これからフィルムカメラを始めてみたい方はこちらで紹介したハーフカメラもPENシリーズでおすすめです。
F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8というレンズ。
- 軽くてコンパクト。(フィルター径43mm、重さ135g)
- 最短撮影距離350mm。
- 流通が多めで安い。
そんなPEN-Fマウントの標準レンズとして登場したのがF.Zuiko Auto-S 38mm F1.8です。
このレンズを見てまず驚くのはとにかくコンパクトで軽いということ。
フィルター径は43mmで、重さは135g。
片手で握り込めてしまうくらいコンパクトなレンズです。
手のひらサイズ。
マウントアダプターを付けてXF35mm F1.4と比べてもこのコンパクトさ。
また、もう一つの魅力は最短撮影距離が350mmというところ。
F1.8でしっかり寄れるというのは良い特徴だと思います。
そしてフリマアプリを探してみれば5000円以下で使えそうなものが見つかる、お手頃さも魅力の一つだと思います。
富士フィルムのカメラと相性が良い理由。
小型軽量のX-S10につけてもサイズ感が良い。
さて、「なぜPEN-Fマウントのレンズが富士フィルムのカメラにおすすめなの?」というポイントについてです。
先ほどお話ししたように、PEN-Fシリーズは”ハーフカメラ”。
そして、富士フィルムのXシリーズは”APS-C“センサーです。
この”ハーフサイズ”と”APS-C“は画面サイズがすごく近いので、このレンズの魅力をそのまま引き出すには、APS-Cのミラーレスカメラが最適なのです。
PEN-Fマウントのレンズがハーフサイズ用であるが故に、フルサイズミラーレスカメラでは周辺にケラレができる(写真の周囲が黒く欠ける)可能性もあるので、APS-Cセンサーのカメラに最適のオールドレンズと言えるでしょう。
また、富士フィルムのXシリーズは、フィルムシミュレーションの色味やクラシックカメラの流れを感じるデザインも相まって、オールドレンズの母艦として使われることが多いシリーズです。
そういうわけで、富士フィルムのカメラでオールドレンズを楽しむなら一度は試したかったのが、この組み合わせでした。
X-S10 × Olympus F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8
X-S10 × Olympus F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8
F.Zuiko Auto-S 38mm F1.8はフルサイズ換算(×1.4)で53mm程度の焦点距離になるので、標準レンズとして使いやすい画角です。
取り付けてみた見た目もかっこよくてお気に入りでしたし、35mmまで寄れるというのもかなり嬉しいポイント。
大変お待たせしましたが、使い方と簡単な作例をお話しします。
ミラーレスカメラでの使い方。
簡単にミラーレスカメラの使い方を。
本体設定で必要なのは、
- レンズなしレリーズ:許可
- 撮影モード:MまたはA
- フォーカスモード:MF
この3点。
撮影してみて何かおかしい時は、この設定を見直してみてください。
レンズの取り付けには、ボディとレンズの間に、マウントアダプターを噛ませる必要があります。
マウントアダプターを介してレンズを取り付ける。
富士フィルム(Xマウント)のカメラにPEN-Fマウントのレンズをつける場合は、PEN F-FXというマウントアダプターを選んで下さい。
僕は焦点工房のマウントアダプターを使用しています。
作例。
それでは簡単に作例を。
オールドレンズ感のある”滲み”感。
めちゃくちゃ寄れる。
日の光がやさしく感じる。
水彩画みたいな写り。
少し絞るともちろん滲みも減る。
もちろん逆光ではフレアが出ます。
この辺りの”思い出感”がすごく好き。
ほとんどの写真を開放で撮ったのですが、とにかく感じたのが“滲む”ということ。
キレのいい写りを期待する人にとっては魅力を感じない写りかもしれませんが、個人的にはどこか懐かしいような、思い出を写すような描写がとても好みでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
PEN-Fマウントは40mm F1.2の明るいレンズや100mmの望遠レンズなど、結構種類が豊富なので、富士フィルムユーザーで興味が湧いた方はPEN-Fマウントのオールドレンズを色々試してみるのも面白いかもしれません。
PEN-F自体も素晴らしいカメラなので、PEN-F,FT,FVのレンズ付きを買ってみて、フィルムカメラとして楽しんでみるのも面白いですよ!
このブログでは、他にも暮らしをちょっと豊かにするものやコトを紹介しているので、興味がある方は他の記事も覗いていただけると嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。